タイトル:
Effectiveness of exercises by telerehabilitation on pain, physical function and quality of life in people with physical disability: a systematic review of randomized controlled trials with GRADE recommendations
著者名:
JF Dias, VC Oliveira, PRT Borges, FCMS Dutra, MC Mancini, RN Kirkwood, RA Resende, RF Sampaio
雑誌名:
BMJ journals. 2021
ポイント
1) 身体障害を有する者の痛み・身体機能・生活の質に対する,遠隔リハの効果を分析すること.
2) 研究デザインは,過去に実施されたランダム化比較試験をシステマティックレビューにより評価した.
3) 遠隔リハは,他の介入(対面による運動療法など)と比較して,痛み,身体機能,生活の質に対して同等の効果を有する可能性が示された.
脳身体障害者の医療ニーズに対する課題
世界では、身体障害を有する人々が約10億人存在するとされており,そのうち約2億人が機能的な活動が重度に制限されている.既存の医療サービスは,身体障害者に対して以下のような課題に直面している.
・身体障害者が交通手段を有していない.
・主たる介護者がいない
・医療者の不足 など
中でも,交通手段の欠如による医療サービスへのアクセス制限は,健康状態や生活の質の悪化に影響する.
遠隔リハの可能性
前述した課題解決のために,電気通信技術を活用した医療サービスが発展してきている.そのサービスの一つである遠隔リハは,主に都心部から離れた地域の患者に対して遠隔にてエクササイズを指導することで,身体機能の維持・改善が期待されている.実際に,これまでの先行研究では,遠隔リハの実現可能性や効果,費用対効果が評価されており,対面でのリハに代わる有用な手段であることが報告されている.
本論文の目的
過去に実施されたランダム化比較試験をシステマティックレビューにて評価し,身体障害者の痛み・身体機能・生活の質に遠隔リハが及ぼす効果を明らかにすること.
方法
対象とした論文の情報
対象者: あらゆる健康状態に関連した身体障害を有する成人
内容: 電話,ビデオ会議,アプリケーションなどの電気通信技術によるエクササイズの指導
比較対象: 対照群(介入なしやプラセボなど)やその他介入(従来のリハビリ)との比較
アウトカム: 痛み(VAS,WOMAC),身体機能(6MWT,AIMS),生活の質(SF-36,MLHFQ)
☞2名の査読者が適格基準に基づき,内容を評価した.さらに,別の1名の査読者が意見の相違を解決した.
結果
システマティックレビューの結果,長期間の介入(3ヶ月以上)によって痛み,身体機能,生活の質が改善することが明らかとなった.加えて,身体機能と生活の質は,短期間の介入(3ヶ月未満)によっても改善し得ることが示された.さらに,上述した遠隔リハの効果は,他の介入と比較して遜色ないことが分かった.
本研究の一連の結果から,遠隔リハは身体障害者の代替治療として有用であると考えられた.
Comments