タイトル:
Influence of post-stroke depression on functional independence in activities of daily living
著者名:
Ezema CI, Akusoba PC, Nweke MC, Uchewoke CU, Agono J, Usoro G
雑誌名:
Ethiop J Health Sci. 2019
ポイント
1) 脳卒中後の抑うつ状態が,日常生活の自立度に影響するかどうかを調査した.
2) 抑うつを有する脳卒中患者は,有さない患者と比較して,日常生活の自立度が低いことが明らかとなった.
脳卒中後うつ
脳卒中後うつ(Post-stroke Depression; PSD)は,脳卒中患者のおよそ85%が有する合併症であり,発症後5年の間に発症しやすいことが示されている.
このPSDは意欲や認知能力の低下に影響することで,運動学習が遅延し,機能回復が制限されると考えられている.また,生活範囲の狭小化や社会的な引きこもりにも影響することが報告されている.
PSDは,機能回復に影響を及ぼすことは明らかであるが,日常生活の自立度への影響については不明な点が多い.PSDと日常生活の自立度との関連性を明らかにすることによって,脳卒中患者のリハビリテーションにおける意思決定や予後の改善の一助になると思われる.
本論文の目的
PSDと日常生活の自立度との関連性を調査すること.
方法
症例
脳卒中患者66名
評価項目
うつ評価:Hamilton depression rating scale(HAM-D)
ADL評価:Barthel Index(BI)
結果
PSDを有する者は,PSDを有さない者と比較して,BIのスコアが有意に低値であった.本研究より,PSDは日常生活動作の自立度に関連することが示された.
これらの関係性をより明確にするために,今後,より大きなサンプルサイズによる縦断研究が必要である.
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