歩行練習アシストGEARを用いた歩行訓練が脳卒中片麻痺患者の歩行パターンに与える影響

タイトル:

The effect of using Gait Exercise Assist Robot (GEAR) on gait pattern in stroke patients: a cross-sectional pilot study.

著者名:

Daisuke Katoh, Hiroki Tanikawa, Satoshi Hirano, Masahiko Mukaino, Junya Yamada, Shinya Sasaki, Kei Ohtsuka, Masaki Katoh, Eiichi Saitoh

雑誌名:

Topics in Stroke Rehabilitation. 2019; http://doi.org/10.1080/10749357


ポイント

1) 歩行練習ロボットGEARを用いた歩行訓練が脳卒中片麻痺患者の歩行パターンにどのような影響を及ぼすかを調査した.

2) GEAR介入群は通常介入群と比較して,異常な歩行パターン(遊脚時の膝屈曲不全,股関節の引き上げ,体幹の過度な側屈),歩行速度・ストライド長・非麻痺側の歩幅の有意な改善を認めた.

GEARとは

GEARとは,藤田医科大学とトヨタ自動車が共同開発した「リハビリテーション支援ロボットWelwalk」の開発段階における機器の名称を指す.2007年より共同研究開発プロジェクトを開始し,歩行練習アシスト(Gait Exercise Assist Robot:GEAR)の名称で研究・開発を進めてきたもので,2016年12月に”Welwalk”の名称で医療機器承認を受け,2017年9月よりレンタル販売が開始となった.当院においても本機器を導入し,積極的な臨床応用を試みている.


「以前紹介した記事 歩行練習アシストGEARを用いた歩行訓練は,効率的に歩行能力を改善させる!」


これまで,GEARを用いた歩行訓練の効果について,歩行自立度の改善効果は示されているが、歩行パターンがどのように改善するかは明らかとされていない.

脳卒中片麻痺患者に対するGEARを用いた歩行訓練は,歩行における代償パターンの学習を最小限に抑えることができると予測される.

本論文の目的

本研究の目的は,GEARを用いた歩行訓練を実施した群(GEAR介入群)と一般的な歩行訓練を実施した群(通常介入群)の歩行パターンの違いを比較することであった.

方法

対象:

GEAR介入群:脳卒中片麻痺患者15名

通常介入群:所属先研究機関のデータベースから,GEAR介入群と同等の重症度の患者データを抽出した.


対象者の取り込み基準:

脳出血または脳梗塞による片麻痺,年齢は20〜75歳,発症後60日以内にGEARを用いた歩行訓練を開始している,転倒の危険性なく10M以上の歩行が可能


GEARを用いた歩行訓練のプロトコル:

GEAR群は,GEARを用いた歩行練習を1日に40分,1週間に5回の頻度でGEARを用いた歩行練習を実施した.パラメーター調整やフィードバック機能の活用は,主治医または担当セラピストによって決定された.期間は,平地歩行を短下肢装具装着下で監視レベルにて歩行できるようになるまで実施した.その他,通常のリハビリテーション(理学療法,作業療法,言語聴覚療法)がGEARを用いた歩行練習と併せて1日3時間,週6回行われた.

対照群は,通常のリハビリテーション(理学療法,作業療法,言語聴覚療法)を1日3時間,週6回行われた.

評価項目:

三次元動作解析装置KinemaTracerにより算出される10項目の異常歩行パターン,歩行速度,ケーデンス,立脚期時間,遊脚期時間,両脚支持期時間,ストライド長,ステップ長

結果

GEAR介入群は通常介入群と比較して,遊脚時の膝屈曲不全・股関節の引き上げ・体幹の過度な側屈の異常歩行パターンの有意な改善,平地歩行時の歩行速度・ストライド長・非麻痺側の歩幅の有意な向上を認めた.

本研究より,GEARを用いた歩行訓練は,遊脚期におけるクリアランスを保障するための代償的な運動戦略を改善させることが示唆された.

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